みつめあう二人

2006年9月18日
専門学校の体験入学に行く途中吉野屋に立ち寄る。
朝っぱらから丼か、と思われるでしょうけど、結構サラリーマンの方々が多いのです。
30席以上のカウンターはほぼ満員状態。
やっぱり早くて安くて腹が膨れるから忙しい人たちには大人気なんだなぁ。
そして客だけじゃなく、バイトの女の子たちも早朝から大忙し。活気溢れています。
オシャレな女の子も可愛いのだけれども、こういった飲食店の野暮ったい制服姿で元気に働く女の子も可愛いものだなぁ。

「いらっしゃいませーっ!」
「豚丼並盛一つ」
「お待たせしました。ごゆっくりどうぞー」

相変わらず早いね。
しかし、ごゆっくりどうぞと言われても、順番待ちしている客もいるみたいなので早々にカウンターから立ち上がります。

「ごちそうさま」
「あ・・・」
「?」
「あの・・・・・・・」
「・・・はい?」
「え〜と・・・あ、あの・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・すみません」

あれ?さっきまで元気だったのに、なんかやけにモジモジしているな・・・。僕の顔にご飯粒でも付いているのだろうか?

「・・・・・」
「あの・・・何か・・・・?」

彼女は口ごもる。そして僕は動けない。
自動ドアの前で、振り返ったまま、彼女の顔をじっと見ていた。
そして、彼女もまた、やや赤面しながら小さく息を飲んでいた。

―――無言。

いや、それは言葉無くしたのではない。
喧騒の中に差し込んだ悪戯な静寂に、言葉が――息が――飲み込まれ、
殺されてしまったかのような―――その一瞬。

「・・・・お金払ってください」
「あ」

330円食い逃げ未遂。

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